▼ 津崎克彦(2009)「非正規社員の多様化と基幹化」一橋社会科学第7号 2009年8月
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【概要】
1990年代以降の非正規社員の拡大は、単なる量的な拡大のみならず、属性の多様化(主婦パート、フリーター等)、仕事内容の基幹化(パートタイマーの基幹労働力化)という点で特徴的な現象であった。本稿では非正規社員の活用が進む代表的な産業であった小売チェーン業を対象とした調査をベースに、基幹化の実態、属性の多様化との関わり、企業の基幹化戦略が労働市場に及ぼす影響について分析したものである。
【章構成】
1. なぜ1990年代に非正規社員の拡大が進んだのか 既存研究の整理と本稿の課題
(1) 1990年代における非正規社員拡大の状況
(2) 非正規社員の基幹化
(3) 非正規社員の属性の多様化
2. 本稿における問題設定と利用データ
(1) 既存研究と本稿における問題設定
(2) 利用データ
3. 非正規社員の基幹化 その現状と原因
(1) 基幹化の指標
(2) なぜ基幹化が進んだのか 仮説
(3) 分析方法
(4) 分析結果1 「多能化」
(5) 分析結果2 「職務高度化」
(6) 分析結果3 仕事の責任
(7) 分析結果4 労働時間
(8) 整理 2つの基幹化とその要因
4. 基幹化と不公平感、労働市場への影響
(1) 非正規社員と正社員の格差
(2) 基幹化の進展と不公平感との関係
(3) 不公平感の拡大と労働市場への影響
5. まとめ