【概要】
日本の労働市場の国際化について、外国人労働者の参入が最も進んでいる産業である縫製業とその受け入れ形態である研修・技能実習制度に注目して調査、分析を行った。縫製業における労働市場の国際化の背景には、日本人労働者に対する労務管理のあり方の典型であった家族主義的な管理形態の危機が存在しており、労働力調達の広域化を通してこうした管理形態が持続しているという点が本稿の主張である。
【章構成】
1. 問題の所在
2. 縫製業の外国人労働者受け入れレジームとしての技能研修・実習生制度
3. 縫製業における労働力国際化の背景
4. 縫製業における労働力調達の広域化と制度の再生産
5. まとめ
(なお、本研究は日本経済センターの研究奨励金「衣料産業の海外進出と外国人受け入れをめぐる諸問題(2011年度)」を受けてなされたものである。)