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2014年9月30日火曜日

津崎克彦「在留外国人統計に見る外国人労働力の性質と変容 」

9/30/2014
▼津崎克彦(2014)「在留外国人統計に見る外国人労働力の性質と変容 」四天王寺大学紀要 第58号

【概要】
本稿は日本に在留する外国人を対象とした公的統計である在留外国人統計を用いて、外国人労働力の性質とその変化を記述し、その労働市場の分析に関する今後の実証的な課題を検討しようとするものである。
同統計を用いて外国人の年齢、性別、国籍、在留資格、地域という 5 つの要因について調査データを整理していく中で、一方では 1990 年代前半を中心とした外国人労働者をめぐる一連の政策とそれに基づく外国人労働者の受け入れ態勢が、社会政策のコストを回避しつつ、とりわけ人口の少ない地域へと外国人を供給するものであったことが確認された。しかし、2005年から 2010 年の間を境に、①在留外国人の伸び率の低下と人口規模の大きな地域への集積傾向、②属性における多国籍・アジア化、女性化、③就労制限のない在留資格に基づく在留者の量的増加と規制のある在留資格に基づく在留者の割合的増加、という 3 つの点で質的な変化があることを発見した。これらの発見事実に基づき、①地域社会の労働市場分析と外国人、②外国人労働者の階層に関する記述の精緻化と分析、③外国人労働者と移民という相互に連関する3 つの研究テーマを検討した。

【構成】
1. 問題の所在
2. 外国人労働者と在留外国人統計
 2.1 外国人労働者と公的統計
 2.2 外国人労働力を把握する際の国勢調査データとその限界
 2.3 在留外国人統計と本稿の分析
3. 在留外国人統計による外国人労働力の状態
 3.1. 外国人の国籍、年齢、性別
  3.1.1 人数と国籍
  3.1.2 年齢
  3.1.3 性別
 3.2 在留資格
  3.2.1 在留資格の分類
  3.2.2 在留資格とその変化 1 全体傾向
  3.2.3 在留資格とその変化 1 国籍別傾向
 3.3 外国人の人口と地域
4. まとめ
 4.1 入国管理施策における 1990 年体制の評価と 2005 年以降の変化
 4.2 いかなる変化か?なぜ変化が起きたのか?外国人労働研究における実証研究のテーマ