▼ 津崎克彦(2017)「産業社会学―歴史は繰り返す?<働くこと>の社会学―」(大関雅弘編「現代社会への多様な眼差し―社会学の第一歩」晃洋書房所収)
【概要】
21世紀を迎えた現在、日本を含む世界各国では「働くこと」をめぐり多様な問題が起きています。こうした問題がいつから始まったのだろうか、と調べていくと、現代の問題は、19世紀から20世紀初頭、社会学の「巨人たち」が取り組んできた問題によく似ていることに気が付きます。本章では「歴史は繰り返す」をキーワードにして、我々の立つ地平を「働く」という観点から少し深く考えてみたいと思います。
【章構成】
第1節 働くことと自由 産業社会学の前提
・ 繰り返す歴史?
・ 「働く」ということとその変容
・ 自由と生産活動
第2節 産業社会学の基本的問題
・ 格差と貧困
・ 孤独とアノミー
・ 統制
第3節 福祉国家、人的資源管理、日本的経営と20世紀の産業社会学
・ 共産主義体制と福祉国家
・ 人的資源管理論の発展
・ 日本的経営
第4節 自由の時代と繰り返す歴史? 現代の産業社会学の課題
・ 新自由主義の隆盛
・ 現代社会の課題